ずっと物語中毒

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なぜアニメ『BanG Dream!』は夢中にしてくれたのか、という話

「一緒に音楽(キズナ)を奏でよう!」
アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』1期のキャッチコピーです。作品を素晴らしいほどに表していて、ひとめぼれしました。
このアニメになんでこんなにも魅力を感じ、ハマったのか。自分への答え合わせと一緒に、良さを伝えられたら良いなと思ってのエントリ。
欠けていた青春の補完なんてところもありましょうがそんな自分語りには意味を感じないので、なるべくキラキラドキドキな話をします。

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AnimeJapan2017の写真

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AnimeJapan2018のキャッチコピーランキング。時間をおけば1日に何度も投票できたので、隙をみてはポチポチしてたら6位に。自分だけの成果とは思わないけど、めちゃんこ嬉しかった。

「キラキラドキドキしたいです!」
高校に入学し、そう自己紹介した戸山香澄はある日、道端に点々と貼られた星のシールを追いかけ、質屋「流星堂」の蔵で深紅の星形のギターと出会います。そのとき知り合った店主の孫娘である市ヶ谷有咲と共に訪れたライブハウス「SPACE」。そこでガールズバンドのパフォーマンスをみた香澄は、瞳を輝かせながら「これだ!」と叫ぶのでした。
ここまでが1期1話のあらすじ。
バンドリ1期はPoppin'Partyの結成物語です。バンドの結成とSPACEでの演奏という目標を目指す姿が描かれます。

バンドリ観てるときって泣こうとして泣くよりも、本当に自然と涙が出てくるんですよ。涙に限らず、自然と想いが湧き出てくる。
この作品の何が響いたのか。
考えた末に、それはポピパの5人が生きているように感じていたからなんだろう結論に至りました。

例えば4話は香澄が花園たえ(おたえ)と仲良くなるエピソードですが、この回で描かれるのはおたえという少女のことだけでなく、新しい人物の登場が人間関係にもたらした変化による有咲の心の揺れ動き。サブタイトルの「怒っちゃった!」も有咲のことであるのに唸ります。香澄と有咲の間を取り持とうと彼女なりに頑張っている牛込りみ(りみりん)も可愛い。
ある人が新しく誰かと交流を持てば、それまでその人と関わっていた人にも少なからず影響はあるんですよね。この回では、単に機械的に仲間を集めていくのではなく、しっかりと人と人の出会いを描いている。香澄たちそれぞれの魅力と同時に、4人の女の子の繋がりを丁寧に描いているところに好感を覚えました。

声が出なくなった香澄が、出迎えてきた妹のあっちゃんにキスをするのもめちゃくちゃ好きなシーンです。ごめんねとか、ありがとうとか、伝えたい気持ちいっぱいあるのに声が出ないから、キスで伝えようとするのがめちゃくちゃ愛らしい。

他にも、文化祭の準備中に階段の踊り場に集まってくる穏やかな時間やすき焼きの会話など、彼女たちの間に流れる親しい間柄ゆえの空気感。親密さの変化を表すように呼び方が変わっていったり、選ぶ言葉や表情、動作・仕草がどれもそれぞれの娘らしくて。間の取り方も。
キャラクターひとりひとりと真剣に向き合って、どの娘のことも大切に描かれているのだと思います。
そういう細かな表現や描写の全部が彼女たちの実在感を高めていて、彼女たちが架空のキャラクターじゃなく、生きた存在と同じように捉えられました。
だから彼女たちの喜びも悩みも、実感をもって受け止められ、心の底から彼女たちと気持ちを共有できたんだと思います。
そしてそこに、想いの結晶として、楽曲が重なってくる。きらきら星、わたチョコ、スタビ、前へススメ!、夢見るSunflower、八月のif etc...
物語と楽曲が互いを彩りあい、絆で結ばれ夢にまっすぐなポピパの5人をいくらでも好きになれます。
アプリゲーム『BanG Dream! ガールズバンドパーティ!』ではポピパ0章という形でアニメ1期のストーリーがなぞられました。あちらも描写が追加されていたり、素敵にまとめあげられていたと思います。
それでもなお、アニメを観てほしいのは、アニメにはアニメの表現があるからです。

バンドリ1期は8話まで観てくれとよく言われますが、個人的にはまず4話まで観てくれれば良さが見えてくると思っています。3話までで戸山香澄という娘のことがわかり、4話まででアニメ『BanG Dream!』 という作品が女の子どうしの関係性を真摯に描いていることがわかるはずです。
そこまででもし感じ入るものがあったのなら……8話のポピパの5人による精一杯のライブに胸を震わせ、エンディングに入るときの演出と共に拍手を贈りましょう。12話まで観てキラキラな涙を流しましょう。

2019年1月から放送の『BanG Dream! 2nd season』のキャッチコピーは「走りだそう、最高の音楽(ユメ)!」
ひとつ成長した彼女たちが、今度はどんな夢と絆の物語を奏でるのか。楽しみにしています。